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Love Never Dies: Adelphi Theatre:『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』千秋楽観劇レポ :2011年8月27日 1幕その1 #loveneverdies [観劇感想:LONDON Musical]

Love Never Dies: Adelphi Theatre:『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』千秋楽観劇レポ :2011年8月27日 1幕その1 #loveneverdies

 

Love Never Dies  Adelphi Theatre  27 AUG 2011


The Phantom: RAMIN KARIMLOO

Christine Daaé:
CELIA GRAHAM
Madame Giry:
LIZ ROBERTSON
Meg Giry:
HALEY FLAHERTY
Raoul, Vicomte de Chagny: DAVID THAXTON

Fleck:
TRACEY PENN
Squelch:
ADAM PEARCE
Gangle:
CHARLES BRUNTON
Gustave: DANIEL DOWLING 


着席 Stalls M列 


 
 お待たせしました。
Love Never Dies 『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』 千秋楽の観劇レポをようやく書きます。 
時々、昼公演の前楽のことも混じります。 

2011年8月27日は、自分がこれまで観劇してきた中でも、もっとも震えた日となりました。
もう大感動、大感激!です。
今でも思い出すだけでブワァッと鳥肌がふきあがります。 
そんなにたくさん観ている訳ではありませんが、順位をつけるとしたら、27日の昼公演が1位。
2位には劇団四季「オペラ座の怪人」4,000回記念の日。佐野ファントム×沼尾クリスティーヌでした。この日も腰が抜けて立てませんでした。

あの日、アデルフィー・シアターの中に居ることができた、ということだけでも幸せなことだと思っていました。
正直、グズグズの最終回でも良かったんです。最後の方は結構、ゾンザイな扱いをされましたからね。
好きなミュージカルだからこそ、ラストを見届けることができれば充分だ。という気持ちでした。
しかし、実際にはあんなに凄いものを見せられるとは…!! 
本当に、後世に語り継がれる伝説の舞台であったと言っても、過言ではありません。   
もう本当に、心から感謝の気持ちでいっぱいです。予定を調整して行った甲斐があったというものです。 

あーでもこんな凄い舞台を映像化しないなんて、ALWは後悔しますよ。後々ね。  

さて、今回は、曲別感想で書きます。 

…無謀にも…

(実はこうしないと、思い出したところからバラバラに書いてしまうので) 
かなり長くなってしまいますが、よろしければ最後までお付き合いください。

 先日のレポにも書きましたが、この日のソワレ(千秋楽)は、開演直前に、作曲家でプロデューサーのアンドリュー・ロイド=ウェバーが劇場内に現れました。ラスト公演を観にきたのです。いきなり大御所が現れたので自分も興奮しました。初めて生でALWを見ましたからね。 
客席はスタンディング・オベーションになり、大歓声の中で迎えられました。
ALWを写真におさめようとするファンが撮影を始めてしまい、客席ではフラッシュがとまりません。
すると、ラミン・カリムルーの劇場アナウンス、「全ての電子機器をオフにしてください」が流れて場内は爆笑。実は5分ほど前に一回同じものが流れていて(開演前は必ず流れる)、一回の公演で二回もラミンのアナウンスを聞くことができました。  

ロンドンでは(BWもそうかもしれませんが)、客席での飲食はOKなんです。
それは上演中でももちろん。幕間では客席にスナックやハーゲンダッツを売りにきますからね。 
で、しばしば結構良いシーンで、スナック菓子のビニールの音がバリバリ鳴ってしまい、気になることがあるのですが、この日は一切そういう音はしませんでした。 
あと、結構家族や恋人同士で観に来ていることが多くて、上演中に舞台の解説をするのか、結構会話をすることがあって、その話し声や動作が気になったりするのですが、この日は本当に(自分の周りでは)一切ありませんでした。 
 
周りを気にすることなく、舞台一本に集中できたことにも感謝です。  

では、いきます。 

 

ネタバレを含みますので、この先はたたんでおきます。 
大丈夫な方は「続きを読む」から進んでください。 

Love Never Dies - O.C.R. (W/Dvd) (Dlx)

Love Never Dies - O.C.R. (W/Dvd) (Dlx)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Decca U.S.
  • 発売日: 2010/03/09
  • メディア: CD

 

 
 

ACT ONE


Prologue

"Till I Hear You Sing"  The Phantom 
 
 このナンバーが始まる前に、緞帳の代わりになっている舞台のスクリーンに、オペラ座が燃える映像が映り、それに合わせてオペラ座のシャンデリアが落ちてくる音楽が鳴ります。それに続く、ジャン、ジャン、ジャン、ジャン……ジャーーーーーーンと鳴って、最後のジャーンはファントムがかつて、オペラ座の地下室で弾いていたオルガンの音が伸びるのです。この低音が凄く響いて、オペラ座を思い出させるのですけど、ラストの公演ではちょっと変になってしまって、ジャーーーーーーン…ジャンッ って。ラストだから緊張してもう一回押しちゃった(間違えちゃった)のでしょうか。 
 
ドゥンドゥンドゥンドゥン、ドゥンドゥンドゥンドゥン…
ファントムを象徴するロックな音が鳴り、スーッと奈落から現れるラミンファントム。カッコよすぎて早くも鳥肌です。ファントムが歌い始める手前に、ジャーンとエレキ・ギターの音が入るのも含めてカッコイイです。

26日(夜公演)、そしてこの日の昼公演(前楽)では、このナンバーで早くも神懸っていたラミンファントム。 
ファントム役はずっと歌いっぱなしというLNDでは、土曜日の夜公演というのは相当喉を酷使した後のラストステージですから(WEでは基本日曜日は休演)、やはり若干、歌声に疲れがみられました。 
しかし、この日は朝の5時まで寝られなかったとは思えないほど、昼公演であんなに神がかった、もの凄い歌声を聴かせたあととは思えないほど、艶のある伸びやかな歌声で、熱く熱く歌うのです!もちろん、一切セーブはなしの、全力の歌声です。
出来(こんな上からの言い方で失礼)でいえば、昼公演はパーフェクトだったと思います。26日も素晴らしかった。
それから較べると、少し疲れていたというだけです。これは仕方ありません。LNDで一日二回公演なんて相当消耗するでしょうから。 

ラスト・ステージにふさわしい、まさにラミン・カリムルーの真骨頂とも言えるこのナンバーを、ステージ開始から楽しめるのですから、本当になんて贅沢な作品なのでしょうか。
自分は早くもこのナンバーで涙が溢れました。もうこの素晴らしい歌声をLNDで聴くのは最後なのかもしれない。そう思うと哀しくて。ここまで熱く歌い上げる人は、そうそういないですよね。 
自分の好きな、ファントムが勢いあまって楽譜を散らばす、というアクションもラストでやってくれました。 
本当にカッコイイんですよね…ピアノの上にある楽譜をバサァーっとやるだけなのに、なんでこんなにカッコイイんでしょうか。 
クリスティーヌ型のオートマタ(実際のクリスティーヌ役が演じる)を、怪しい手付きで操るところも好きです。カッコイイ。ラミンって手大きくないですか? 凄く手のアクションが目立ちます。この後のナンバーでも、その手はフル活用されます。 

LNDは一度大きな改変を施しており、このTIHYSも歌詞が一部で変わりました。
ラミンはラスト二週は割と自由に歌っていたようで、日によっては新旧混在の歌詞になっていたそうです。
自分がこの日気付いたところでは、中盤あたり、

And sometimes in darkness の部分は、
And sometimes at night times と、古い歌詞で歌っていましたし、それに続く、

But wake holding nothing but the cold, night air の部分は、
But wake holding nothing but the empty air と、ここもオリジナル歌詞で歌っていました。

多分、この日の夜公演はほぼ、オリジナル歌詞で歌っていたのはないかと思います。
やはりオリジナルの方に思い入れが強かったのでしょうね。

TIHYSは最初、寂しいファントムはしっとりした感じで、割と静かに歌っていますが、中盤あたりから徐々に感情が抑えきれず、ボンッ、ボンッと強い、怒りのような魂が、小爆発的に噴き出してくるような感じになります。
And music, your music の your は、 ヨォォオオオ!みたいな感じに歌います。  
I turn and it fades away の fades も、フェイズ!!みたいになります。 

で、この後からが凄いです。ラミンファントムの真骨頂です。
and you're not here の here が伸びまくります。
第一のロングトーンはここです。これを聴くと実際に仰け反ります。全身に力を入れ、歯を食いしばらないとラミンの声の圧に負けてしまいそうです。
he----------------------re!! です。オーケストラはラミンが伸ばすだけ合わせるように演奏します。
この先は倍音がでまくりで、
Let hopes pass, let dreams pass Let them die まではたっぷり溜めるようにしながら、さらにエネルギーを放出する感じになります。 hopes と dreams と 最後の Let はかなり伸ばしながら歌います。

先に書いた楽譜を散らばすところは、
I'll always feel No more than halfway real の No more のところです。バッサァーといきます。 そして、real がガーーーっと伸びてから、ラストの

Till I hear you sing once more に続きますが、このワンフレーズだけでも二回ロングトーンが炸裂するのです。途中の sing と、最後の more です。 
ティーーール、アァーーーイ、ヒィーーーア、ユゥーーーウ、スィーーーーーーーーーーング、
ワァーーーーーンス、モォアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
 
惜しむらくは、ラミンがラスト部分 more の、渾身のロングローンがまだまだ続いているのに、拍手は早いし、大歓声は上がるし、オールスタンディングになるし(自分も立ったけど)、早い段階から客席が大騒ぎになってしまうことですが、それでもラミンの歌声は最後までハッキリ聴こえるのですからこれはまた凄いと思ってしまいます。
これで掻き消されてしまうような歌声なら、一曲目からスタンディングになるようなことはないでしょうけどね。 
あー凄かった。カッコよかった…泣いた…鳥肌たった…
この歌を聴くだけで筋肉痛になりそうな勢いですよ……!!
 

"The Coney Island Waltz"  Madame Giry, Meg Giry, Fleck, Gangle, Squelch, Ensemble, The Orchestra  
 
以前の観劇記事でも書きましたが、ここのナンバーはCDとは違い、マダム・ジリー、メグ・ジリーを含む、ファンタズマの出演者が総出となり、がっつりと重唱します。かなり好きです。 
ここも始まりはシンセサイザーの重低音、ズーーーンに乗せて、マダムが歌い始めます。
続いてメグ、ファントムの部下三人組(フレック、ガングル、スケルチ)が出てきて歌います。 
このナンバーは、ファントムが経営をする劇場のファンタズマや、巨大な遊園地、コニーアイランドの世界観を象徴するものだと思います。オリジナル版では、コニーアイランドに遊びに来たお客さん達が、浮かれたようなアップテンポな歌が入っていて、それは結構いらない感じだったのですけど(一幕も、二幕もあった)、マイナー・チェンジ後はそれらの歌はなくなり、全てがこのコニーアイランドワルツに集約されていると言えるでしょう。
コニーアイランドワルツは、ファンタズマの中の人たちが歌う歌です。いわゆるマダム(プロデューサー)や三人組(スタッフ)や、メグや他の演者たち(キャスト)が、誇りと自信をもってエンターテイメントを作り出している世界。もちろんそれを経営しているマスター(ファントム)に対する誇りでもあると思います。
マダムが案内人となり、アクロバティックな見世物が次々と出てくる中に、オペラ座のファントムがかつて、ラウルを攻撃したあの炎の玉が飛び出す杖を操る男も出てきます。 

自分の好きなところはやはり、マダム達プリンシパル+アンサンブルの、重唱となる部分です。 
キャストが一斉に並ぶようにして歌う、
Welcome one and welcome all
Welcome to the Master's ball  
ここがとても重厚でいいです。
その後、ステージに出る為にキャスト達が捌けていきますが、最後にマダムとメグが向かい合って、お辞儀をするのがまた好きなシーンです。かつてオペラ座ではバレエの師匠と生徒だった二人。そして二人の固い親子愛や絆が、そのたった一瞬の美しいお辞儀をしあうところで垣間見ることができます。

終盤は、またキャストが勢ぞろいして、重厚な重唱になります。
ラスト部分は徐々にテンポが速くなって繰り返すように、
Welcome to the, welcome to the, welcome to the, welcome to the… 
と歌いますが、ここもとても好きな部分なのです。 

SCENE 1 ~ Phantasma
"Only for You"  Meg Giry, Fleck, Gangle, Squelch, Ensemble

引き続きファンタズマのトップダンサーである、メグ・ジリーが出演するショーになります。 
大袈裟な言い回しで前節を担当する、ガングル、フレック、スケルチ。
三人が何かを言いだす前に、パラ、パラパパパーン といちいち鳴る音楽も良い味をだしています。
そして、三人に紹介される、メグ・ジリーは、リフトされた状態で現れます。とても露出の高い衣装です。 
Wel---come---
と、のびやかに歌い始めるメグは、ヘイリー・フラハティ。とてもとてもキュートなメグです。
いきなり聴かせる歌声は、ビブラートがかなり細かくて、高音質で、とても好きな歌声です。 
このナンバーもCDとはかなり違っていて、出だしはかなりスロウ・テンポとなっています。
Only for you と伸びやかに歌ったあと、バッバッと、ポーズをチェンジさせながら、ビシビシと決めるヘイリーメグ。しなやかに、しかし引き締まった鍛え上げられたボディを惜しげもなく動かし、華麗なダンスを魅せてくれるのです。 
ショーガールズと並んで、またビシビシと足を何度も大きく上げるメグ。かなりゴージャスなショーです。 
途中から徐々にアップテンポになってゆき、ラストはかなり速いテンポになります。速いテンポになるのに合わせて、もちろんダンスのスピードも上がっていきます。テンポが速くてもビシビシと踊るメグ。
ラストは天井から吊るされた輪に乗り、高いところまで上がっていきます。
アップテンポのまま、重厚なコーラスと男性ダンサーたちのフィッテがバッチリときまり、バ、バン!と締まります。ヘイリーメグは高いところに居ながらも、片手を離して手をあげ、ポーズを決めます。
このショーでも大きな拍手です!自分はここでも立ちあがりそうになりました。
いや、だってヘイリーメグ、かなり好きなんですもん…
キュートで、歌がうまくて、ダンスもうまくて…本当に、大人になったメグ・ジリーという、イメージにピッタリに人だと思います。 

"Backstage of Phantasma" Madame Giry, Meg Giry
「ファンタズマの舞台裏」 マダム・ジリー、メグ・ジリー 

このシーンはもともと、オリジナル版だとTIHYSをファントムが歌ったあとに、メグとマダムがファントムの仕事部屋に入ってきて、「今日の私のショーはどうだった、ちゃんと見てくれましたよね?」とメグが歌い(ファントムは当然見ていない)、マダムがクリスティーヌに執着するファントムを非難する歌、"Giry Confronts the Phantom" がベースとなっていますが、違うのは場所(ファンタズマの楽屋裏)で、ファントムは不在の状態です。二人の心理もオリジナルとはちょっと違っています。
メグは自分のショーの出来をファントムがどう思っているのか気にしていますが、マダムは彼はそれどころではない。「クリスティーヌ・ダーエがニューヨークにやってきて、新しいオペラハウスで歌う」という新聞記事を読んできかせます。 
このシーンはマダムとメグが、この先を案ずる歌となっていて、複雑に絡み合う心情を歌いあいます。
マダムはクリスティーヌに否定的ですが、メグはかつての親友であるクリスティーヌを悪くは思っていない。でもマダムは不安を煽ります。揺れ動くメグ。
オリジナル版ではメグはクリスティーヌに対して嫉妬心や、よく思っていないという感情が出ていますが、マイナーチェンジ版からはこういう心情はあまりないようです。あくまでも昔の友達。この時点では、ですね。
オペラ座時代を振り返ったり、これまでの経緯を説明するという意味でもかなり重要なシーンです。
ここでは色んなナンバーから旋律(フレーズ)を持ってきているので、曲構成自体かなり複雑で、とても長い歌となっています。 
ちょっとまとめてみますと、こんな流れです。 

"Mother, Did You Watch?" (メグ)
→ 新聞のことを言うマダム。オペラ座を思わせるような不協和音の伴奏
→「クリスティーヌ、クリスティーヌ…」(メグ)「クリスティーヌ…」(マダム) オペラ座"Angel of Music" の導入部分でメグとファントムが歌ったフレーズ。
→"Giry Confronts the Phantom"(マダム)
→"Giry Confronts the Phantom"(メグ) ファントムが歌った部分。
→"Giry Confronts the Phantom"(マダム)
→"Why Does She Love Me?"(メグ) メグ部分。
→"Ah Christine!..."(マダム、メグ) 
→"Why Does She Love Me?"(メグ) メグ部分。
→オペラ座 "All I Ask of You"への導入部分、ジャーン、ジャーン、ジャーン、ジャーン、ジャアーンという伴奏と共に、マダムの台詞。 

ざっとこんな具合です。
マダムの歌もそうですが、ヘイリーメグの歌が長く、たっぷり聴けるという意味では自分的にポイントが高いシーンで、高音階なのにまろやかでフンワリとしたヘイリーの歌声が心地良いのです。
クリスティーヌの事を思い出して笑顔で歌ったり、マダムに「Mother!」と怒ったり。など。
マダムが歌うのは結構恨み節というか、怖いフレーズが多いです。というか、LNDのマダムはかなり怖いです…。

SCENE2 ~ Pier69
"Are You Ready to Begin?"  Fleak, Gangle, Squelch, Raoul, Gustave, Ensemble

ここでようやく、クリスティーヌ、ラウル、グスタフが登場します。
クリスティーヌは喋らずに、ラウルが一人、かなり大きな声で威張るようにわめきながら現れます。
このラウルの大声の出し方がいきなりツボで、その前にクリスティーヌが登場したときに、音楽が変わって "Once Upon Another Time" のワンフレーズが流れるのですが、その音楽のかかり方といい、照明のあたり方といい、「歌姫のクリスティーヌがきましたよ!」と、たとえ知らない人でも、絶対にわかるような演出になっています。それも結構ツボだというのに、その後ろから群がる記者たちをかきわけるように、威圧するデイヴィッドラウルの演技が本当に好きなのです。 
ラウルが「写真を撮るな!」と言った傍から、ボンボンッ!とフラッシュが焚かれるので、一瞬ラウルとカメラマンたちが微妙な空気になるのが、とても絶妙なのです。思わず笑ってしまいます。  
ラウル・シャニュイ子爵役には、デイヴィッド・タックストン。
長身でかなりのイケメン。佇まいというかスタイルが、子爵の風格にピッタリの人です。
ここではまだ、ラウルの歌は始まりません。ここでは終始、怒っています。 
怒っている声がまたカッコイイんです。歌が上手い人は台詞にも圧がかかって、迫力があります。 
ファントムのラミンとはまた違ったタイプですが、このデイヴィッドも相当な歌唱力を持ち合わせています。
何せ、ラミンを抑えてオリヴィエ賞を受賞している実力派俳優ですからね。ラミンの敵役としては充分すぎるでしょう。この作品ではラウルの歌があまりに少ないので勿体ないですね。
  
怒っているラウルとは対照的に、無邪気に振る舞うのは、グスタフ役のダニエル君。
記者たちの下世話な質問責めに爆発寸前のラウルを止める第一声が、「ファーザー」です。
文面ではこの声を再現できないのが残念ですが、この「ファーザー」もそうですし、その後の「イエス、マザー」や、「アイ、ウィル!」の言い方が本当に可愛らしくて、ニンマリしてしまいます。
で、この子は本当に良かったです。以前に見たハリー君はボーイ・ソプラノが綺麗で、まるで女の子のようでしたけれども、ダニエル君はファルセットと地声の切り替えが上手くて歌も上手ですし、何よりも表情があいくるしい。クリスティーヌがなかなか喋らないので、グスタフに質問を始める記者たち。その記者たち一人一人の質問に顔を向けて、笑顔で答えるダニエルグスタフ。
ここは以前のグスタフ君たちだと、結構人みしりのように思えたシーンだった(喋った後クリスティーヌの後ろに恥ずかしそうに隠れたりしていた)のですが、ダニエル君のグスタフは大人に囲まれても物怖じしない、とても活発な男の子のように思えました。オールバック風な髪型も、おぼっちゃまという感じで似合っていました。 

ここでは記者や野次馬を演じるアンサンブルの小ネタが結構面白いです。
三人組の歌の最中に、何かをブツブツと繰り返し言っている記者が一人いて、その声に反応したお客さんは、クスクスと笑っていました。 

最後にひとつだけここのシーンで不思議なのは、クリスティーヌたちがクリスタルの馬車に乗り込んで出発という時に現れる、ミスター・ハマーシュタイン(クリスティーヌをブッキングした、本来の興行主)。
「クリスティーヌ・ダーエはきているかね」「クリスティーヌなら行っちゃったよ」というやり取りがあるのですけど、いや、まだすぐそこにいてますやん!っていう。(まだ馬車はゆっくりと進み始めたばかり)
あっさりと諦めちゃうというか、あさっての方向に向かって走っていくのはどうかと。 

SCENE4 ~ The Hotel
"What a Dreadful Town" Raoul, Gustave, Christine

ここからようやく、ラウルの歌が始まります。
まぁここでも怒っているんですけど、でも、デイヴィッドラウルはめちゃくちゃエエ歌声なんです。
特に、 What a farce, の What なんかは高音になり、声量が増して伸びやかで、かなり痺れます。 
怒りながら、手袋をはずしてソファの方に投げる仕草もやたらにカッコイイんです。 
途中、ダニエルグスタフの、Father dear, come play with me. 「パパ、僕と遊んでよ」が入りますが、グスタフパートはかなりゆっくり。対照的に怒り狂っているラウルのパートはテンポがかなり速いです。 
二回目のグスタフパート、Father, please come play with me と歌い始めてすぐ(Father, pleaseあたりですぐ)に、 Please, tell the boy the answer's no! と遮るのもいいですね。 

そして、ようやくクリスティーヌが歌い始めます。 
クリスティーヌ役は、シリア・グラハム。そのとてもクリアで美しいな歌声は、四季の沼尾みゆきさんに似ていると思います。歌の最後の方のビブラートのかけ方とか、かなり近いです。
シリアは小柄ですが、とても美人なクリスティーヌです。  
クリスティーヌが、 We need the money と歌うと、ラウルは「ヘッ!」と言います。この「ヘッ!」は今回の遠征で4回見た中で、全ての回で言っていました。 

惜しかったのは、ハマーシュタイン氏に呼び出され、ラウルがホテルの部屋から出かけようとするときに、クリスティーヌがラウルを呼びとめます。「なんだ!」と高圧的に向き合うラウル。
「これ以上もお酒を飲まないで」とお願いするクリスティーヌに、一瞬考えたラウルは、グラスをクリスティーヌに渡して、出かけていきます。
ここなんですけど、何が惜しいって、5月に見た時はグラスをクリスティーヌに渡さずに、向き合って見降ろしたまま(デイヴィッドとシリアはかなり身長差がある)グイッと残りの酒を飲み干し、ピアノの上にグラスを置き、出かけていったのです。 
いやー、これ。クリスティーヌにとってはたまらんでしょうけど、カッコよかったんですよね。
それを期待していた(デイヴィッドラウルはそれを毎回やると思っていた)ので、ちょっと残念でした。 

遊んでいたオルゴールをラウルに蹴られてしまい、傷ついたダニエルグスタフは、とても哀しそうな声でビブラートを深くかけながら、 Father never plays with me. Doesn't he love me? と歌います。 

"Look with Your Heart"  Christine, Gustave

ここではシリアクリスティーヌに思いっきり甘える、ダニエルグスタフの表情がとても良いです。 
もちろん、シリアも優しい笑顔になります。ラウルがいる時はこわばった、堅い表情だったのですが、子どもを深く愛する、優しい母親の表情です。
シリアは演技や、表情の作り方が本当に上手いんです。
ダニエル君も本当に嬉しそうな笑顔で、このナンバーではじんわりと心が温かくなります。
クリスティーヌとグスタフの愛、それがとても伝わります。 

以前はこのナンバーが終わっても拍手はなかったのですが(グスタフが捌けても伴奏はずっと続いている。音楽が鳴っている時は拍手は入れにくいタイミングだが)、いつの頃からかここで拍手が起こるようになったようで、もちろん千秋楽でも大きな拍手が怒りました。
「ライオンキング」の一幕終わり、子役のシンバが捌けていくタイミングでも拍手が起こることがありますが、ちょうどそれに似た様な感覚でした。 


  
(続く) 

 





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コメント 4

mondsonde

夜遅くに(朝早くに?)アップありがとうございます。

Raminのアナウンス、垂涎です・・・。あの声で耳元で歌われてみたいなーー・・・・。(卒倒すると思いますが)腰砕けになるクリスティーヌが分かる・・・・。

Haleyのメグは、私も大好きです、あの1幕の楽屋のシーンで、腿あたりのガウンを両手で握りしめながらクリスティーヌが来たらマンハッタンの夜景とか見せてあげるんだ!って部分が、かわいくてかわいくてたまらないです。純粋ですよね~。

そういえば、ダニエル君の英語って、子音が強い気がしません?FatherのFも、I want to go to Coney Islandにしても。めっちゃイギリス英語。ちょっとぽっちゃりだけどあの歌のうまさ。。。Before the Performanceとか、オケがリードメロディー演奏してないのに音は全く外さず、RaminやDavidにつられることもなく、ビブラートのかけ方なんて大人顔負けでまさに恐れ入りました、って感じですよね。

Look with your heartは、自分のBlogに書き忘れましたが(笑)ダニエル君が歌いだしてから、彼に向って両手を差し出しておいで、ってするセリアの仕草がたまらないです。Close your eyes tightでぎゅっと目をつむるダニエル君も。もう、にこにこで聞いちゃいます(誰かみてたら気持ち悪いだろうなあ、泣いたりにこにこしたり(笑))。

続きのレポも楽しみにしてまーす!!
by mondsonde (2011-09-11 06:29) 

SH

おはようございます!素晴らしいレポありがとうございます!!こんなに詳しく丁寧に書いてくださって、LND未見の人の教科書になると思います。自分が見落とした点もいろいろ書いてあって、ホントありがとうございます~~。

「歴史に残るであろう伝説の名舞台」とはよくぞ言ってくださいました!全く仰るとおりです。jurunさまのLNDに対する愛の深さにも頭が下がります。

本当に良いレポでした。続きがとっても楽しみです。
by SH (2011-09-11 19:34) 

jurun

>mondsondeさん 

コメントありがとうございます!
mondさんの補足解説も嬉しいです。自分まだまだLNDのことをわかっていない部分が多いので。いつも勉強になります。
メグ、そんなこと言ってるんですか…夜景を…うぅ(涙) 
はい、ダニエル君自分も大絶賛していました!ラスト4回連続で出てくるということは、あの時点で最高のグスタフだった、と言う風に思っています。本当に可愛いし、歌上手かったですよね!
あの特徴的な台詞(というか声)は、イギリス英語なんですね。ラストはダニエル君のグスタフで観ることができて、良かったと思っています!
先ほど1幕途中(Dear Old Friend)の手前でまで、また続きをアップしました。なかなか進まないのでしんどいですが、頑張って書き上げたいと思います!
by jurun (2011-09-12 00:57) 

jurun

>SHさん

お褒め頂きありがとうございます。
丁寧というよりは、やたら長いだけで自分の伝えたいことをズラズラ書いているので、部分的にはわかりにくいかもしれません…
はい、あんな凄い舞台は今後、そうそう観られるものではないと思っています。
いつまでもいつまでも、胸にしまっておきたい。
このブログに記すのも一つの手ですが、この日のことは心に深く刻み込まれていますので、いつまでもこの思い出を、大切にしたいと思っています。
続き…今日一日で端折って全部書き上げて…なんて甘いことを考えていましたが、全く無理でした。
こうなったら長期戦です。
大作ミュージカルですから、感想も大作(?)ということで…頑張って書き上げますので、またご意見お待ちしておりますね
by jurun (2011-09-12 01:03) 

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