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Spring Awakening: 『春のめざめ』韓国版 観劇レポ2 #springawakening_korea [観劇感想:韓国ミュージカル]

Spring Awakening: 『春のめざめ』韓国版 観劇レポ2 #springawakening_korea 

 
SPRING AWAKENING  Doosan Art Center Yonkang Hall  3 SEP 2011 
 
Melchior: ユン・ヒョンミン
Moritz: チョン・ドンファ
Wendla: ソン・サンウン 
Adult Men: ソン・ヨンチャン
Adult Women: イ・ミラ
Ilse: キム・イソク
Georg: イ・チンギュ
Thea: ムン・ジナ
Ernst: チョン・ソンウ
Hanschen: キム・ソンイル
Martha: ユ・ジヘ
Anna: キム・ギョンハ
Otto: ファン・ホジン 



まさかの韓国SA感想その2です。
 
いや本当は1回で終わらせようとしていたのですけど、後から考えたら書き足りない事が色々とでてきまして…
LNDやWEミュージカルレポはまだ終わっていないというのに、本当にすいません。 
もちろん、必ず書きますのでもうしばらくお待ちくださいね。 
 
 
まずは、アダルトマンのソン・ヨンチャンさん。(いきなり大人キャスト)
この人は初演のSAでもアダルトマンを演じていました。
結構優しそうな顔をしたおじさんなのですが、この人の学校の先生はめちゃくちゃ怖いんです。 
メルヒオールが居眠りをしていたモリッツをかばい、持論を展開するラテン語の授業シーン。
四季版では勇者アイネリアスのくだりは名古屋公演から出てきましたが、韓国版は初演でもありました。でもその頃四季版ではアイネリアスの議論はカットされていたので、メルヒオールは随分長く先生に盾突くんだな、と思ったものです。(知らなかったから) 
何が怖いって、持っている棒でメルヒオールの腹部を叩くスピード。一切タメはありません。
ビシュワッ!と行きます。パーン!って音がなります。劇場がどよめくほどです。 
一瞬苦痛に歪んだ顔になり頭を下げるメルヒーですが、瞬時に体勢を整えます。
しかしもう一発キツイのがきます。かなり痛そうな顔ですぐに体勢を整えるメルヒオール。
メルヒオールの顔を見ながら、その棒をむしり始める先生。(棒は竹のような柔らかい素材でできているようです)怯えてガタガタ震えるモリッツと、息をのむ他の生徒たち。

ちなみに、ベンドラがメルヒオールに、「棒で叩いてほしい」と頼む時に出てくる小枝は、四季版よりも随分細いものになっています。
で、これも実際に叩きます。(四季は叩いているようにみせる)ただ、初演ではお尻辺りを叩いていましたが、今回は太もも裏をビシビシ何度も叩いていて、なかなか痛そうでした。この小枝もすぐにモロモロっと朽ちていきます。毎回使い捨てなんでしょうね。 

韓国の俳優って、男性も女性も発声がもの凄く強いんですよね。学校の先生役では早口でまくしたてて、それは怖い大きな威圧的な声で、生徒たちを圧倒しています。喉が破れるんじゃないの、と心配をしてしまう時もありますが、喉が強いのでしょうね。  
また、随所で靴をガンッ!ガンッ!と音を立て、生徒たちを威嚇しているようです。 
All That's Known でも冒頭のボーイズのラップ調の朗読に続き、演奏が始まるちょうどのタイミングで、ガツンッ!と一発踏みならしています。 

もう一つ印象的な役は、ミスター・シュティーフェル(モリッツの父親)です。 
モリッツは悪い学校の先生たちの謀略にまんまとハマってしまい、退学に追い込まれます。
救いを求めようとして勇気を出して父親に打ち明けるモリッツですが、父親に逆上されてしまうという、とても辛いシーンです。 
まず最初のビンタが強い。パーンって行きます。
そして怒鳴り付けた後、「退学か!」でまた、パーン!
最後に、「お前は一族の恥だ!」です。かなり厳格な父親像で演じています。
初演の時は確か、「一族の恥だ」でもう一度ビンタがあったように思いましたが、どれもキツイですよね。
当然モリッツは泣きじゃくるのですけど、この辺りの流れからは胸が締め付けられそうになります。 

ちなみに、モリッツがメルヒオールの母親に手紙を書いて、その返事に納得が出来ないというナンバー、And Then There Were None では、メルヒオールの母親は自分の名前を、「ファニー・ガボール」と言っていました。四季版では「クララ・ガボール」ですね。 
ちょっと記憶が曖昧なのですけど、BWではファニーで、ロンドンからクララになったとか何とか、そういう解説があったような気がします。とすると、韓国版はBWに準拠しているのでしょうか。 

ミスター・シュティーフェルに話を戻しますと、モリッツの葬儀のシーンで、かなり辛そうな表情でずっと堪えています。
途中ガールズ(特にテーアやイルゼ)に睨まれたり、周りの視線を感じつつも、ずっと墓に眠る我が息子を肩を震わせながら見つめています。
メルヒオールに手を差しのべられて、泣き崩れます。大声で泣き叫ぶのです。 
初演の時はもっと大袈裟に、長く泣いているような記憶がありましたが、再演では泣き声を出すのは短かったように思います。

また、校長先生の時には、初演ではえらく素っ頓狂な高音で台詞を話していましたが、今回の再演ではそれほど素っ頓狂な声ではなく、割と普通のトーンで(でも、他の役とは違ったテンションで)、話していました。 
それと、アダルトマン役のソン・ヨンチャンさんの実の娘が、今回ベンドラ役のソン・サンウンさんとのことで、親娘でSAに出演ってなかなかないですよね。というか、なぜか自分が色々と気まずかったです(笑)。 

続いて、メルヒオールのユン・ヒョンミンさん。 
初演のチュウォンさんのメルヒオール(チュウォンメルヒーは二代目)は、長身のハンサムで、男らしく熱くて正義感があり、それでいて涙もろい、とても理想のメルヒーでそれは泣かされたのですけど、今回のヒョンミンメルヒーはややもの足りなさを感じてしまいました。優しい感じはしますけれども、ちょっと危なっかしい、間違えた絡み方をすると鋭いナイフでスパッと切られそうな、そういう過激な感じではなかった。どちらかといえば、地味です。(ごめんね) 
ラストシーンでも、泣かされたのはベンドラだったしね…うーむ。  
また、歌の音程が若干下がるのが難で、これは残念に思ったのです。 

これは声を大きくして言えますが、四季版キャストの歌唱力は全体的にかなりレベルが高いと思います。とても綺麗に歌うのは四季です。韓国は粗削りです。というか、今回のボーイズは粗すぎたかも。 
ただ、ベンドラに限っては韓国キャストの歌い方はストレートで本当に心に届くというか、透明感もあってとても良いのです。初演のベンドラも今回のベンドラも、べンドラというキャラクターに近い歌声はこれだと思いました。四季ベンドラはどうしてもファルセットが出て、声楽っぽくなってしまうんですね。まぁ、この辺りは個人の好みの話です。 

ただ、先にも書いた、小枝で叩いて事件ではちょっと前回と違いました。 
お尻ではなく、足の太もも裏に何度も小枝を打ちつけるメルヒオール。だんだんと悲鳴に変わってくるベンドラの声。ここの打ちつける回数は、かなり多かったように思います。 
そして、ついにベンドラを突き飛ばして、襲いかかろうとするところで、ベンドラに大きな悲鳴をあげられてしまい、ハッと我にかえるというシーンでは、かなり長い時間、その場で自分のしてしまったことを振り返る様に、茫然と立ち尽くしていました。 
そしてかなり時間が経ってから、「ヒャアアアア!」と、メルヒオールも悲鳴のような声をあげて、去っていったのです。 
ここの演技はなかなか良かったです。こういう演出に変わったのでしょうけど、結構上手いと思いました。また、走り去る時に「ウワァァァァ!」みたいな絶叫ではなく、まるで逃げるように悲鳴を上げるというのも、なかなか新鮮に思いました。 

モリッツ役はチョン・ドンファさん。
小柄ですがとてもハンサムなモリッツで、彼の演技にはなかなか泣かせられました。 
また歌も結構上手いです。涙を流しながら歌う、And Then There Were None や Don't Do Sadness は熱くて良かったです。 
でも Don't Do Sadness のファルセットのところは、もっとハッキリ歌声を出してほしかった。そこだけ声が小さくなりすぎて、最初マイクトラブルかと思ってしまいました。 

モリッツは一幕最初はとてもコミカルなキャラですが、それほどドッカンドッカン笑いを取るような動きまではしてなかったけど、チャーミングな表情とチョコマカした動きで、ついニンマリさせられる、そういう感じの憎めないモリッツでした。 
印象的だったのは、校長室に忍び込んでボーイズと喜び合うシーン。ドンファモリッツは何度も胸の前に十字を切って、神様に感謝をしていました。
また、ハンシェンにだけ抱きつかない、という例の流れでは、ゲオルグに抱きつく「ワハハハハ!」、オットーに抱きつく「ワハハハハ!」、ハンシェンに抱きつこうとしてやっぱりやめて「ワハハハハ!」という流れで、かなり可笑しかったです。 

当然のように、モリッツが孤独に、最期に死を選んでしまうシーンはあまりにも切なくて哀しくて、涙がとまらなくなります。その後に例の葬儀シーン(まさかのベンドラ号泣)と続くので、目が腫れる位泣いてしまいました。 

イルゼはキム・イソクさん。ハーフのようで、一人アジア系の顔立ちではなく欧米系でした。 
でも、話す言葉は韓国語です。
歌声や話す声はとてもハスキーでした。セックスや、ドラッグ、アルコール漬けにされてきたであろう、壮絶な修羅場を潜ってきたイルゼのキャラ作りには充分すぎると思いました。 
ただ、モリッツと歌う Don't Do Sadness/ Blue Wind では、ドンファモリッツに歌い負けしていたのが残念だったことと、他のガールズがスリムで少女らしいスタイルだったのに対し、一人結構ガッシリだったので、少女というよりはすっかり大人に見えてしまいました。 

んーイルゼって本当に難役なんですよね。 
自分の中の理想のイルゼはただ一人だけです……… ネタですよ、ワハハハハ!


全体的には初演と較べてしまうと、ちょっともの足りないと思う箇所がいくつかありましたが、やはりベンドラ役のソン・サンウンさんの好演がとても光っていて、彼女が舞台全体を引っ張っていく力は充分にあったと思います。 

サンウンベンドラで一つだけ思い出しました。 
ガルテン通りの11番地、ミセス・ベルグマン(ベンドラの母)がベンドラを連れて、闇医者に引き渡すという恐ろしいシーンでのこと。
初演のユヨンベンドラも四季のベンドラも皆、自分の行く末を案じているのか、怯えながら手を引っ張られるようにして通りを歩かされていました。
でも、サンウンベンドラは「ママ、どこへ行くの?」と言いながら、全く疑う様子がないんです。
これはきつかったですね。当然その後、闇医者に引っ張られて行くのですが、その一瞬にして恐怖の顔に変わり、泣き叫びながら連れて行かれました…

あぁ、なんて辛いお話なのよ…  

でもでも、このSpring Awakening は、ストーリーはちょっとアレでも、本当に美しいミュージカルだと思います。 
世界観、音楽、掘り下げれば掘り下げるほど愛着のわく登場人物。 
美しい照明に凝ったステージも魅力です。 
韓国版はちょっとスモークが粗いですが、それもまぁ、韓国仕様ということで納得しています(笑)

中毒性が高いんですよね…これまでに何回観たことか。ハマってしまったら本当にヤバいです、このミュージカルは。
またきっと、どこかで再演の情報を聞きつけたら、観に行ってしまうと思います。 

劇団四季はまた上演してくれるのでしょうか。 
何となく、もうやらないような気もしているのですが…

でも、こういう作品こそファンがどんどん増えていって、ファンが入れ替わったり淘汰されるのではなく、少しずつでも大きい人数になっていくような気がします。
これは、「ジーザス・クライスト=スーパースター」なんかに似ていますよね。
最初観た時は「何やこれ」でも、二回目三回目からガーン!とハマってしまうという…
で、もう抜けられないという…あー恐ろしい。マニアックなんですよね。 

是非是非、また出来そうだったらお願いしたいです。 
次にSAを観られるのはいつになるのでしょうか。また韓国でも観たいなぁ。 

ということで、今回のSA観劇レポはひとまず終わりです。
もしかしたら、また何か思い出したら書くかもしれませんが…

 

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